共に過ごす仲間たち

1986年にトカラヤギのメリーとメーコを飼い始めて、今のヤギは何代目になるのでしょう。30年以上が過ぎ、ヤギがいる園として親しまれてきました。新しい園舎になり、門を入るとすぐにヤギたちがお出迎えしてくれるようになりました。

登園時に、野菜の皮などを持ってきて、ヤギに餌をあげてから保育室に入る子もいます。

子ども達が遊びながら園庭の草を取り、ヤギたちにあげる光景もよく見かけます。やっと一言・二言言葉が出始めた0、1歳児が草をちぎり「メーメー」と言いながらヤギに近づく姿は、とてもかわいらしいですし、子ども達にとって大事な存在であることに気づきます。


子どもたちにとっては、動物たちも友だちと同じように共に園生活を過ごす仲間なのです。
動物を飼うことで、みんなの心の癒しになったり、生き物の動きや反応から不思議さや驚きを体験したり、ふれあうことで命の大切さが育っていきます。

これまで、園にいた犬や羊、豚、ヤギが神様のもとへいきました。
子どもたちは、棺の中を花でいっぱいにして
「今まで遊んでくれてありがとう。天国で見守っていてね。」
とお祈りをして見送ってきました。

体力が落ち、しだいに歩けなくなり、食事もとらなくなりながら息絶える姿を子どもたちに見せることは残酷なような気もしますが、一緒に生活をしてきた仲間の「死」まで通してかかわることができることで、命の大切さを知ることにつながっています。